どこかリアルな巨大なフィクション『バビロン』

小説

当記事は著『バビロン』の書評です。

臨床研究不正事件から、不可解な自殺、選挙の陰謀…

事件がどんどん大きく、想像がつかない方へ向かっていきます。

どの事件にも雰囲気が違う”女”がかかわっています。

彼女たちは一体何者なのか…

『バビロン』とは?

『バビロン』あらすじ

東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社・日本スピリと国内4大学が関与した臨床研究不正事件を追っていた。その捜査の中で正崎は麻酔科医・因幡信が記した一枚の書面を発見する。そこに残されていたのは毛や皮膚混じりの異様な血痕と、紙を埋め尽くした無数の文字、アルファベットの「F」であった。正崎は、事件の謎を追ううちに、大型選挙の裏に暗躍する陰謀と、それを操る謎の人物の存在に気がつき……?

『バビロン』感想・レビュー

Point1.リアルとフィクション

検事の物読みが細かく描かれていて、リアルです。

捜査方法や法律も現実にそったところがあり、実際にあり得そうな展開だと思いました。

でも、筋が見えない、動機やきっかけが不可解な急な自殺だけが違和感があります。

そのギャップがフィクションで、気味悪さの理由でしょうか…。

Point2.不可解な自殺

自殺する兆候が見えなかった麻酔科医。でも現場の状況から見て自殺なのは間違いなかった。

しかもその死に方が変わっていて、不気味だった。

彼の部屋に流れるのは爆音のクラシック音楽。全裸で椅子に横たわり、となりには専門的な大きな麻酔装置。

自殺するならば、死ぬというのなら。できるだけ簡単に、確実に、即死ねる方法をとるでしょう。

でもこの医師が取った方法は麻酔でゆっくり長く苦しみながら命を落とす方法。

装置を用意するための手間。死ぬのをやめたくなるような苦しく長い時間。どうしてこんな手段を選んだんでしょうか。

Point3.正義とは何か

主人公・正崎善はその名の通り、正義と善行を信じていた。

検事として悪人たちを捕まえてきた。

ただ、ある女と向き合いその信念が揺らいでいく…。

「正義」は創作物でよく見かけるテーマで、人間が生きてく上でのテーマであると思います。

作品によってその答えは様々だけど、正義を考えるには悪を考えないといけません。

悪って何でしょう。

絶対的な悪って思いつきますか。

『バビロン』の著者について

2009年『[映] アムリタ』で、第一回「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー。 2013年に刊行された『know』(早川書房)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。

『バビロン』の感想・まとめ

まずアニメ一気見して、小説も読みたくなりました!

全体像が見えてこない、ずっと不穏な空気が漂っている感じはアニメよりも不気味でした。

この先も楽しみで、アニメと比較しながら読み進めたいです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました