前向きになれる小説 3選

おすすめ作品

暑い日が続くと、家にこもりがちになり
だらけてしまうときがあります。

今日何もできていない・・・。

計画的に物事をこなせない自分を嫌悪し、
勝手に気分が沈んでいくことも・・・。

そういったときはどんな環境にあっても、
前向きに行動している女性たちに
力をもらいます。

はちみつひと匙、口に含む習慣を『今日のハチミツ、あしたの私』

蜂蜜をもうひと匙足せば、あなたの明日は今日より良くなる──。
「明日なんて来なければいい」と思っていた中学生のころ、
碧は見知らぬ女の人から小さな蜂蜜の瓶をもらった。
それから十六年、三十歳になった碧は恋人の故郷で蜂蜜園の手伝いを始めることに。
頼りない恋人の安西、養蜂家の黒江とその娘の朝花、
スナックのママをしているあざみさん……
さまざまな人と出会う、かけがえのない日々。
心ふるえる長篇小説。

はちみつを使った
料理やスイーツがおいしそうです!

疲れたときに、
はちみつひと匙を口に含む習慣は、
この本を読んでからだったと思います。
はちみつの優しい甘さが唾液に交じり、
少しずつ喉を通る。
はちみつを集中して味わってる間に、
心のささくれがおさまっていくような
気がします。

この本自体もはちみつみたいに、
甘く、優しい。
一つ一つの言葉が、文章が
心に染み渡っていきます。

主人公がすごくタフです!

急になれない土地で、
やったことがない仕事をする。
周りの人間に振り回されながらも、
自分にできることを一つずつ行っていきます。

たとえ明日で人生が終わりでも、
いつもと同じように地に足つけて
生きるような様が
かっこいいです。

血がつながらなくても心を通す家族の物語『そして、バトンは渡された』

家族よりも大切な家族

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。

初読!瀬尾まいこさんの作品です。

主人公は複雑な家庭環境で育ちましたが、
擦れた様子がないです。
事実をきちんと受けとめ、
理性的な行動ができます。

それは、どの育て親もそれぞれのやり方で
愛そうとしていたと知っているからでしょう。

特に4人目父親・森宮さんは
子育てが不慣れながらも、
良き父親を模索して、
主人公に寄り添おうとしていました。

森宮さんは、頭がいいのに抜けていて、
真面目なところが面白い!
血が繋がらなくても守りたい、
頼りにされたいと思って
主人公のそばにいます。

私自身は子どもがいなくて、
想像しにくいけど、
どこまでもただ幸せを願える存在、
子どもがいるって幸せなことなのかも
しれないですね。

2人目母親・梨花さんの自由さ、
奔放さがすごいです。
血の繋がらない娘を大切にしていて、
主人公を思っての行動が想像を超えています。
その行動、思いの伝え方は
正直納得がいかない・・・、
独りよがりなとこもあるけれど、
憎めない明るさや愛情深さがありました。

「やりたいことリスト」で自分を見つめてみませんか?『太陽のパスタ、豆のスープ』

人生は自分の気持ち一つで変わるんだ!
結婚式直前に婚約を解消された明日羽(あすわ)。傷心の彼女に叔母のロッカさんが提案したのは“やりたいことリスト”の作成だった。自分の気持ちに正直に生きたいと願う全ての女性に贈る感動の物語。

主人公は20代後半の女性。
仕事にやりがいを感じられず、
婚約が破棄になって、
先が見えなくなってしまいました。

叔母に勧められ、
ドリフターズ(やりたいこと)リストを
書き始めます。
ただ書くのは簡単だけど、
それだけで終わってしまうものにしたくない。
ちゃんとやろうと、
頑張ろうとする主人公がきちんとしています。
「やりたい」を「する」って
断定で書けている時点でしっかりしてます。

ちょっとお節介なおばさん。
真面目なのかおちゃらけてるのかよくわからない。
でも物事の核を捉えて、主人公を支えようとしているのがいいです。

誰かと対抗しなくてもいい。
頑張れなくてもいい。
自分を隠したり繕うと焦って
自己嫌悪に陥るだけ。
今できること、やれることだけ
やってみようと思えた一冊です。

まとめ

『今日のハチミツ、あしたの私』以外は、
主人公に寄り添ってくれる、支えになる人がいました。

誰かが見守ってくれている、
助けようとしてくれると感じるだけで、
自分の居場所があるような気がします。

『今日のハチミツ、あしたの私』は、
周りの人間が少し頼りないような・・・。
彼氏もっと頑張れと言いたくなります。
でも、一度挫折し、立ち直り方を知っている
主人公は、強いです。

人でも物でも、
自分の拠り所になるものがあれば、
前に進めるのではないかと思います。

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