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毒好き少女の謎解き『薬屋のひとりごと』
あらすじ
大陸の中央に位置する、とある大国。その皇帝のおひざ元に一人の娘がいた。
名前は、猫猫(マオマオ)。
花街で薬師をやっていたが現在とある事情にて後宮で下働き中である。
そばかすだらけで、けして美人とはいえぬその娘は、分相応に何事もなく年季があけるのを待っていた。
まかり間違っても帝が自分を“御手付き”にしない自信があったからだ。
そんな中、帝の御子たちが皆短命であることを知る。今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。
美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。
人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。
きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。
壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。
稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。
おすすめポイント
●花街育ちの薬屋と、
見目麗しい男性が後宮で揃えば、
色っぽい関係を期待しますが、そうはならず…。
ヒロイン・猫猫の塩対応っぷりがすごく、
思わず壬氏に同情してしまいました笑
身分の差、生い立ちの差、性格の差。
いろいろ遠回りして進まない関係性を
じれったく思いますが、
少しずつ距離を縮めていく様子が
見ていて楽しいです!
猫猫のたまに見せるデレやSっ気は、
ギャップ萌えです!
●舞台のイメージは、中世の中華。
探偵役が薬屋なので、
薬品や人体の仕組みが
トリックの鍵になることが多いです。
この時代、この文化で、
ただの(?)薬屋の少女が
活躍するというのが新しかったです!
この作品の魅力は、
舞台設定と主人公だと思います。
薬屋ゆえの鋭い観察眼。
苦労や困難ばかりの人生で、リアリスト。
でも、親しい者には
どこか甘い(優しい)気質。
彼女は事実に基づいて、
自分の考えを慎重に話します。
憶測は言わない。言いたくないようです。
この舞台設定では、皇帝の権力は絶対で、
きっと、疑わしきは罰せよ、
という思想だと思います。
連座もある時代なので、
犯罪に対しての刑はとても重く、
一度決まったことは容易に覆らない。
法がどこまで確立しているかはわかりませんが、
容疑者や犯罪者の人権、
それどころか民衆の人権すら
現代に比べて低いでしょう。
権力者に逆らえば、
ただの民の命など保証してくれないのです。
壬氏という皇帝に近い位置にいる人物に
推理を話すことで、
ただの薬屋が冤罪を起こす可能性がある。
検察や弁護士がいる時代じゃなく、
科学レベルもまだ低い。
事件の立証は簡単には行えません。
言葉の重み、命の重みが現代とは違い、
緊張感があるのが面白さに繋がると思います。
まだまだ連載中で、
二人の恋路や周囲の謎にこれからも
ヤキモキしたいです‼︎