こんにちは、なみです!
漫画ランキングに引き続き
小説でも順位付けしてみました。
小説の方が読んだ作品数は少ないですが、
決めるのに時間がかかりました…。
小説は新たな価値観をくれた、
見聞を広めてくれた作品が多いです!
年を経て、
自分の経験値が増えたころに
どう思うのか、
確かめたくなるような作品を選びました!
1.やりたいを叶えるお仕事『活版印刷三日月堂』
川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂。店主が亡くなり、長らく空き家になっていた三日月堂だが、店主の孫娘・弓子が川越に帰ってきたことで営業を再開する。三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていくのだが、弓子もどうやら事情を抱えているようで――。
「活版印刷」にまず惹かれます!!
現代技術の印刷より、
活版印刷は文字に味があって、
温度を感じられるのが好きです。
学生時代に昔の資料や事典で
調べ物をすることが多く、
その中には活版印刷の書物も
たくさんありました。
紙の手触りも今のものとは違っていて、
時代特有の雰囲気をもった書物って
いいなあと思います。
安く簡単に印刷できる時代に
活版印刷って必要なんだろうか。
需要はあるのか。
仕事の意義は。
主人公は迷いながらも、
お客様の悩みに真摯に向き合い、
自分のできる仕事を着実に成し遂げます。
お客様に対する姿勢も、
仕事する誇りある様子も、
かっこいいです!
この作品を読んで、
代替できる技術でも
すみわけできる可能性があり、
新旧それぞれの良さを知りました。
なんでもデジタル化していく世の中で、
アナログなものの魅力を味わえます。
活版印刷の名刺が
ほしくなりました!
2.死は嘆くこと?『世界の美しさを思い知れ』
蓮見貴斗と尚斗は一卵性双生児。
弟の尚斗は人気俳優だったが、遺書も残さずに自殺した。
葬儀を終えて数日後に尚斗のスマホが見つかり、貴斗が電源を入れると顔認証を突破できてしまう。
未読メールには礼文島行きの航空券が届いていた。
自殺したのに、どうして旅行に行こうとしたのか。
その答えを知るために貴斗は旅立つ。
人気絶頂で自殺した愛する弟は何に悩んでいたのか。
止められなかった自らの後悔を胸に世界を旅する貴斗。「生きること」と「死を受けとめること」の意味を問う、感動のロードノベル。
あらすじに惹かれて読んでみましたが、
好みにドンピシャです!
主人公は弟の自殺について考えながら、
いろんなところを旅します。
自殺する者の気持ちは、
きっと当人だけしか分からない。
予想や妄想はいくらでもできるけど、
理解はできなさそうです。
だって、
私は今隣にいる人のことでさえ、
どれだけ分かっている
って言えるでしょう。
本作は、分からないという事実を
受け入れる苦しみについて
よく描いています。
誰が死んでも
残された者は生きなきゃいけない。
人の死に、折り合いをどうつける?
そもそもつけられるものなのか?
悩み、苦しんでも、
正しい答えなど分かりません。
でも、もしあの世があって、
死んだ大事な人に会えるなら、
会ったときに何を伝えようか?
それはきっと
ポジティブな言葉がいいですよね。
それを本心のまま、
素直に告げるためにはどう生きようか。
そんなことを考えられるなら、
あの世があった方がちょっとは
前向きに生きられそうです。
人の死とどう向き合って、
生きていくか、
ヒントを教えてくれる作品でした。
※装丁は骸骨が描かれた
ハードカバー版の方が
個人的に好きです。
3.離婚後の揺らぐ気持ちのゆくえは・・・『マリエ』
桐原まりえは40歳を手前に離婚した。夫の森崎に「恋愛がしたい」と切り出され、2年近い話し合いの時期を経て、7年半の結婚生活に終止符を打ったのだ。理由にはいまも納得がいかないまりえだったが、自分はもう誰にも属していない、そう思うと心は軽やかだった。離婚届を提出する朝、寂しさよりも、手放して一人になることの清々しさをこそ感じたのだ。
(中略)自分が人生に求める幸せとは何なのか。若い頃のように無邪気に恋愛に飛び込んでいけなくなった眼にだからこそ捉えられる、おとなの女の幸せをめぐる長篇。
恋愛や結婚の違和感を
言葉にしてくれた作品です!
恋愛と結婚って
求めてることが違うとは
よく聞きませんか?
恋愛の先に結婚がある。
少女漫画や恋愛小説では、
そのように描かれています。
でも、実際のところ、お互いしかいない!
みたいな恋愛ばかりではないのでしょうね。
恋愛にせよ、結婚にせよ、
長く付き添うなら
尊重しあえる関係がいいなと思います。
でも、尊重するとか優しくするとか、
自分に余裕がないとできないですよね。
心が自由で、
経済的・精神的に自立している状態。
そうなれるまでが長くて、さびしい。
だから人は早々にぬくもりを
求めてしまう。
けれど、やっぱり不安ばかりで、
他者に優しくできない。
思いやれない。
この作品を読んでいると
漫画『NANA』の
恋愛観や人の弱さを思い出しました。
人はなぜ寄り添う相手を求めるのか、
そんな素朴な疑問から
考え直させてくれます。
今年もたくさんの
素敵な作品に出会えました!
まだ多くの積読本を抱えて、
年を越すので、
今後の投稿をお楽しにいただけると幸いです。
本年はありがとうございました!
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