理想の師弟関係『メダリスト』

書評

当記事はつるまいかだ著
『メダリスト』の書評です。

2025年の冬アニメとして放映され、
OPや作画が評価された
原作漫画の魅力をお伝えします!

素敵なイラストと細かな解説、
コマ外に書かれた作者のコメントまで、
見所が多いです!

『メダリスト』とは?

『メダリスト』あらすじ

夢破れた青年・司と、見放された少女・いのり。
でも二人には、誰より強いリンクへの執念があった。
氷の上で出会った二人がタッグを組んで、
フィギュアスケートで世界を目指す!

『メダリスト』感想・レビュー

Point1.スケート

私自身、名古屋に住んで長いですが、
TVでもちゃんと通して競技を
見たことがないくらい、
スケートとは無縁です笑

この作品もアニメ化する前に
試し読みしましたが、その時点で
惹かれたわけではありませんでした。

多分それは、
フィギュアスケートの見方が分らないから。
よく読むスポーツ漫画は球技が多く、
得点したら勝ちという、
判定が付きやすく、
素人でもわかりやすい描写が多いです。

比べてフィギュアスケートは
ルールが難しいように思います。

この大会では
この技を組み込まなくてはいけない、
この技は点が付かない。
技の美しさ、リカバリーの仕方、
審査基準、試合の重要性、年齢制限・・・。

初見なことばかりで、混乱しました。

イラストが美しいので、
なんとなく読むだけで楽しいのですが、
競技が理解できない。

なので、試し読みで止まっていましたが、
アニメが始まり、映像で見ると理解が深まり、
キャラクターの魅力も再発見!

それからは一気に深い沼にハマりました。

フィギュアスケートは
芸術スポーツの面があり、
使用されている音楽に合わせ、
演じて魅せるのも重要だと思います。

音楽の背景を知ると
もっと楽しく見れそうです!

最近はより脳内の
イメージ映像をよくするために、
スケートの動画を見ています笑

Point2.コーチ

本作の大人たちはいい人ばかりです。
とくにコーチは、
現代の理想の先生が多いです。

代表は主人公・いのりのコーチの司先生!

子どもたちは皆「さん」付け。
目を合わせて話す。
相手の意見をしっかり聞く。
言葉を待ってくれる。
でも無理に聞き出さない。

近すぎず、遠すぎ、適切な距離感です。

個人的に熱血教師は苦手ですが、
昭和イメージの熱血教師ではなく、
どこまでも人に寄り添う
あたたかい太陽のような人です。

主人公たちとライバル関係にある
夜鷹も魅力的です!
眼光は鋭いし、黒いし、
正直対人に問題があると思いますが、
メダリストとしての言葉は重く、嘘がない。

それが人を傷つける事があるけど、
いつも本心です。
また、いのりをかばって
下敷きになるくらいには
反射的に人を助けようとする人なのです。

言葉も、表情もわかりにくいですが、
いい人です。

この人の過去編、心情描写お待ちしています。

Point3.才能

スケート選手はそれぞれに得意な技があり、
魅せる努力を積み重ねます。
でも、どれだけ練習しても、
優勝経験のあるすごい選手でも、
見せ場はわずか数回。

そこで力を出し切らないと意味がないのです。

司先生は作中でも
トップレベルのスケーティング能力があり、
全日本大会ではメダルをとれるはずの
実力の持ち主でした。

でも、1度の失敗で、
台のりを逃し、
現役を引退することになります。

彼は日の目を浴びないまま、
選手をやめてしまいました。

どれだけ才能があっても、
それをしかるべき場で
活用することができなければないのと同じ。

厳しいけど、これが現実。
フィギュアスケートは個人の戦いで、
数分間一人で氷上に立ち続けないといけない。

自分がどれだけ素晴らしい演技をしても、
比べられ点数が付く。
メディアに取り上げられ、
人から注目されるのはトップ選手のみ。
とくに日本は強豪ばかり。
なんとも厳しい世界です。

『メダリスト』の著者について

漫画家。愛知県出身。
『鳴きヤミ』で
即日新人賞 in COMITIA123優秀賞を受賞。
本作『メダリスト』でデビュー。
声優の春瀬なつみのファン。

『メダリスト』の感想・まとめ

最初は、いのりがあまりにも幼く見えたので、
少女たちの「かわいい」が
ウリの作品なのかと思いましたが、
しっかり読むとガチのスポ根でした笑

司先生も正直好みではない・・・
熱いだけの人かと思いきや、
過去の苦悩、
衰えぬ素晴らしいスケートを見て、
すっかり推しになりました!

ファンブックにかかれていた設定では
アポロンをモチーフにした太陽の子。
イメージにぴったりです!!

もっとフリースケートみたい!
現役で活躍してほしい!
いのりのコーチと選手を掛け持ちしないかな?
コーチは夜鷹でお願いします!
と脳内妄想が止まりません!!

毎日公式サイト見て、各種SNS見て、
ウィキペディア見てと
オタクの危ないハマり方をしています・・・。

未だ冷めぬこの熱を
一回吐き出させていただきましたが、
まだまだ語れそうです!

このお話はどこまで描かれるんでしょうか。

いのりがオリンピックで金メダルを取るまで。
ライバル・光に勝つまで。
司が夜鷹に勝つまで。

どこまでもじっくり読みたい作品です。
月刊『アフタヌーン』で連載されてますが、
ページ都合で
カットされたシーンも多いみたい。

試合も全てを描いているわけではないので、
見たいところがすでにいっぱいです。

推しの司先生がもっと出てほしい・・・。
番外編はないですか??

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