こんにちは、なみです。
暦の上では、
もうすぐ夏が終わってしまいますが、
まだ暑いので、夏気分が続いています。
夏といえば、怪談。
あやかしものが出てくる作品が好きで、
これまで色々読んできました。
ホラーや恐怖を感じられるものより、
あやかしの人とは異なるあやしさ、
美しさに惹かれます。
今回はちょっと怖いかもしれない、
でも惹かれる作品たちを紹介します!
自分の居場所を見つけて強くなる『夏目友人帳』
「妖怪が見える」という秘密を抱えた孤独な少年・夏目。強力な妖力を持っていた祖母・レイコの遺品である「友人帳」を手にして以来、妖怪たちから追われる羽目に!! 祖母が妖怪たちと交わした「契約」をめぐって、用心棒・ニャンコ先生とともに忙しい日々を送ることになった夏目は…!? あやかし契約奇談!
普通の人には見えない、
変わった何かが見える少年。
誰にも理解されず、孤独だった少年が
一匹の猫のようなものに出会い、
いろんなぬくもりにふれ、
大切なものを得ます。
友人帳を通じ、
祖母・レイコの過去を垣間見ます。
自分と同じく、人と異なる力を持ち
孤独だった祖母を見て、感傷に浸る・・・。
実の父と母を今となっては思い出せない
夏目にとって、
数少ないつながりを感じられる、
強く共感できるのは
もうこの世にはいない過去のレイコなのです。
現時点(2024年8月)で、
30巻まで発売されていますが、
夏目が誕生するまでの家系図は謎が多いです。
まだまだ明らかにならない過去が多く、
続きが気になります!
自然豊かな土地が舞台で、
作中では四季の彩りを感じられます。
でも夏の印象が強いのは、
妖怪から怪談のイメージがあるのと
好きなお話があるからです。
こちらは第3巻載っています。(第10話)
ある日、夏目が出会った男性は、
かつて妖が見えたが、
今はもう何も映さなくなったという。
その男性が沼に通い続けるのは、
沼で出会った女性が忘れられないからだそう。
人があやかしを見えなくなったら、
そのつながりはなくなってしまうのか。
苦労や悩みがなくなって幸せか。
でも、残されたあやかしはどうだろう。
時間や寿命というものの認識が
曖昧なあやかし。
人間は、短い寿命の中で
出会いがたくさんあるけれど、
長いときを生きるあやかしにとって、
自分を見ることができる、
話すことができる人間との出会いは貴重です。
だから、執着し、固執する。
愛憎入り乱れていた感情を人に向けがちです。
より長寿で、経験値が高いあやかしは
人と過ごせる時間に限りがあることを
より実感しているからか、
人との付き合い方も距離があるように
見えました。
あえて大切なものをつくらないように
しているのでしょう。
どんなかかわり方をしても、
存在そのものが、時間の流れが、
異なるので、
切なく、哀しい気持ちになりながら読んでいます。
名(迷)言いっぱい!『化物語』
阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった――!?
台湾から現れた新人イラストレーター、“光の魔術師”ことVOFANと新たにコンビを組み、あの西尾維新が満を持して放つ、これぞ現代の怪異!
青春に、おかしなことはつきものだ!
降ってきた女の子を
助けたことから始まるラブコメ⁈
といえば、甘い展開を期待しますが、
戦場ヶ原さんの
物騒な行動と暴言の数々が
主人公・阿良々木を襲います。
シリアスな場面は長続きせず、
コミカルでリズム感ある
作風が西尾維新さんらしいです!
この世には、怪異というものがいるらしい。
人がいるところには怪異がいる。
人と怪異が交わることによって
起こる事件や奇妙を謎を
解いていくのがメインのお話です。
怪異のある種の無垢さ、曲がらなさ。
それらが人と対比され、
人の汚さ、歪さを実感させられることがあります。
怪異はただそこにあるだけ。
人がかかわるから何かが起こる。
何がいい、悪いは
人間が勝手に決めるけてるだけ。
人はつい自分にとって、
都合のいい考え方をしてしまうなあ
と思いました。
すごくフィクションな内容なのに
時折、時事ネタや現実にある商品が
出てくるリアルさ、
メタ的な視点が絶妙なバランスで、
ツボにはまります!
この世に偶然なんてない、あるのは必然だけ『XXXHOLiC』
“あやかし”が視えてしまう霊感体質の持ち主、四月一日君尋(ワタヌキ・キミヒロ)はある日、吸い寄せられるように一軒の家に……。そこは、市原侑子(いちはら・ユウコ)という名の妖しい女性が主人をつとめる店で、どんな願いも、見合った対価をはらえばかなえるという。そこで働かざるを得なくなった君尋は、今日もコキ使われて…!?人間の内面を描き出す、不思議コメディ!『ツバサ』読者も必読です!
あやかしが見えることで苦労している主人公。
とある女性に出会って、
なんでか?いつのまにか?
彼女の店で働くようになります。
そこは人の願いをかなえるお店。
見合った対価を支払えば、
どんな願いもかなえてくれる。
対価は多すぎても、
少なすぎてもいけない・・・。
人の願いは重いもの。
安易に人にゆだねたり、
請け負ってはいけないなと思いました。
この作品であやかしは人を襲ったり、
人の負の感情を増幅させたりします。
負の感情の具現だったりもします。
迷信や定番の百物語の解釈が怖くて、面白い!
印象に残っているのは、
夜に爪を切ってはいけない理由について。
こちらを読んでから、夜の爪切りを
ためらうようになりました・・・。
幽霊や有名な妖怪も出てくる
この作品の雰囲気は
こわくあやしく、美しい。
侑子さんのファッション、
四月一日の作る料理のセンスが好きです。
侑子さんが魔女として扱う道具たちも
設定が細かく、
端々まで書き込みが丁寧です。
CLAMPの別作品『ツバサ』とも
関連性が高く、
重厚な世界観があります。
片方読んだら、もう片方の作品も
読んでみることをおすすめします!
まとめ
怖い要素もありますが、
世界観の美しさが見られる作品ばかりです!
あやかし・怪異と人との付き合い方は、
難しいように思いますが、憧れがあります。
他に人には認識してもらえない、
自分と相手だけの特別な関係。
私は、簡単に幸せになれそうにない
危ういバランスに惹かれてしまうのだと
思います。
長めの作品が多くなってしまいましたが、
夏を感じられるうちに
ぜひ読んでみてくださいね!
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