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今回おすすめする1冊はこちらです!
揺れる心理描写が美しい『マチネの終わりに』

あらすじ
たった三度出会った人が、誰よりも深く愛した人だった――
天才ギタリスト・蒔野聡史、国際ジャーナリスト・小峰洋子。
四十代という〝人生の暗い森〟を前に出会った二人の切なすぎる恋の行方を軸に
芸術と生活、父と娘、グローバリズム、生と死など、現代的テーマが重層的に描かれる。
最終ページを閉じるのが惜しい、至高の読書体験。
おすすめポイント
●わずかな出会いで、
確かに惹かれあう二人。
運命的な恋の行方は・・・?
●クラッシクギターという音楽の世界で、
天才と呼ばれたギタリストの苦悩が
丁寧に描かれています。
私は、20代前半、学生の頃に
こちらの作品を読みました。
あらすじにもある通り
二人の出会いはたったの3回!
それだけのわずかな出会いや時間で
ここまで相手を思えるのかと
正直、信じられない気持ちになりました。
天才ギタリストの薪野は
自分の音楽に若さがかけている、
停滞しているような気がして、
今後の音楽人生に不安を抱いていました。
芸術家の苦悩、
感性の老いに対する暗い気持ちが
繊細に描かれています。
そんな時に出会った女性が小峰です。
一度目の出会いで
二人は互いに強く惹かれあいますが、
表面上は大人な対応。
ただ、内面は激しく揺れ動いています。
どちらも自立した大人で、
自らの行動に責任があって、
仕事や大事にするべき人間関係があります。
それらには辛いことも
苦悩することもたくさんあるでしょう。
しがらみだらけの毎日のなか、
相手の無事を願ったり、
いつのまにか心の内にいる存在は
なんとも切なく、尊いものに思えました。
まとめ
大人の恋愛と聞いていたけど、
大人とはこうも不安定なものなのかと
学生の頃の私は思いました。
全然大人らしくない、
もっと器用に振る舞えないのかと、
思っていました。
でも、数年経っても
自分の内面の成長を感じられない。
きっと何十年経っても
変わるものではないのかもしれません。
最近は齢をとっても、
若さや情熱や愚かさを持ちながら生きるのは
そうじゃない人生より美しいと
感じるようになってきました。
恋愛の描写は自分が年齢によって
感じることが違うので、
度々読みなおしたいです!
二人の恋路をどんなふうに感じたか、
ぜひご感想を聞かせてくださいね!



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